リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝 & 加藤まさをの乙女デザイン展

昨日、京都市美術館で開催中の「リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝」とJR京都伊勢丹内にある美術館「えき」で開催中の「加藤まさをの乙女デザイン」を見に行ってきました。


京都市美術館へは行きは贅沢して京都駅からタクシーを利用したのですが、そのタクシーの運転手さんが話好きらしく、結構面白い話を聞かせてくれた。
どうも、今は修学旅行シーズンらしく、タクシー業界も忙しいのだとか。修学旅行生が班ごとに作成したスケジュールにあわせて1日面倒をみなくてはいけないらしい。
しかも、ちょっとミスをすると、次の日には「この運転手さんを変えてほしい」と生徒が言ってかえられてしまし、来年からはその学校、ひいては市から仕事がもらえなくなるんだそうな。
今の修学旅行はタクシーなんてものを使うんですね…私の頃は観光バスでまわったよ…自由行動で班で予定を作成して回るのも電車とバスを使ったし、びっくりしちゃいました。


長々と展覧会とは全くもって関係ない話を書いてしましました、
気を取り直して展覧会の話を。


京都市美術館、まず建物が立派ですね。和洋折衷というのかな、歴史ある建物なのでしょう。なんとなく名古屋市役所とか愛知県庁舎とデザインが似てるかな?*1
日本の美術館て多くは近代的な建物でそれはそれでいいんですが、こういうクラシカルな建物は雰囲気があって素敵ですね。


リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝」
その名の通り、リヒテンシュタイン侯国の国家元首リヒテンシュタイン侯爵家が収集した美術品の展覧会で、絵画だけでなく、タペストリーや彫刻等も展示されています。
何といっても、展覧会の目玉である「バロック・サロン」。ウィーン郊外ロッサウの「夏の離宮」の展示スタイルを模してあるそうです。東京開催と違って、京都会場は天井画やソファーなどはなかったんですが、それでも絵画やタペストリー、工芸品がずらずらと並べられている様はなかなかに壮観です。
他にも、ラファエロの絵が見られたり、ルーベンスの絵が何枚もあったりと、おなか一杯の内容ですが、私が一番気に入った絵はヤン・ブリューゲル2世の「死の勝利」。祖父ピーテルの原作を、父ヤンが模写したものを、模写したものなんだそうな。骸骨が人々に襲いかかる恐ろしい絵なんだけれど、何故だかユーモラスに見えて面白い。ホネホネロックを思い出してしまったよ。


「加藤まさをの乙女デザイン」
加藤まさを、名前を知らない人も多いかと思いますが、「月の沙漠」の作詞者と言えばお分かりになっていただけるかと。
詩もたくさん書いているけれど、抒情画家でもあります。
そんな加藤まさをの絵葉書を中心に竹久夢二高畠華宵小林かいちなども展示されていた。
この時代の挿絵やデザインが好きなので、本当に楽しい展示だった。「大正ロマン」とはよく言ったものだ。なんとも優美な絵やデザインの数々。
それにしても、加藤まさをの描く女性は皆、どことなく儚げで寂しそうですね。一体何がそんなに悲しいのか…なんて想像を刺激される絵です。
惜しむらくは、この展覧会、原画が少なかったんですよね。当時の印刷物も十分貴重ですが、やはりもう少し原画が見たかったかな。

*1:調べてみたら、こういう建築物を帝冠様式というんだそうな。