狂人

狂人 (作者: 佐藤まさあき 出版: 佐藤プロ 発行:1969年頃)


左側:表紙 サイケな色使いが素敵!  右側:裏表紙 手描き感あふれすぎの佐藤プロのロゴ。240円らしい


買っちゃいました。古本。これ、貸本マンガです。
表題の「狂人」のほかに短編が2本(「よわむし」と「だうん・びいと」)が収録されている。

狂人

堕靡泥の星の一エピソードの元ネタってことで興味があって購入したんですが、まんま再利用よ、これ。ほぼ同じストーリー。

よわむし

お母さんがいなくてぐれちゃった(母親がいないからぐれたとは書いていないけど、警察に捕まって他の不良少年は母親がむかえに来るけど、自分は誰もむかえにきてくれないというシーンで主人公の心情の吐露がある)不良少年のお話。

だうん・びいと

犯罪者を親に持ち世間から白眼視されている少年と女性のお話。救いのないラスト。


「よわむし」と「だうん・びいと」はいかにも佐藤まさあきらしい題材だなぁと。
自身が幼いころに両親をなくしているから、こういうストーリーは繰り返し書いているし、世間から差別される主人公も多い。この人のマンガもとい劇画には著者自身がすごく投影されていてそこが面白いと思う。
絵は貸本だけどアシスタントがいる時期だから割ときれい。でも、私はもうちょっと前のころの一人で書いていたころのほうが好きだなー。あまり上手でもないし雑に見えるけど、ストーリーにあってるし、妙にイライラした感じがひっかかる所が好き。


発行年が書いていない貸本。1969年頃とした理由。

職員募集の広告に「44年度卒業の方も歓迎です。」とある。


著者近影

何の前に立っているんだろうか。後ろが気になる。

「狂人」の一コマ

楳図かずおが描いたっぽい人物。違うかな??